たまに園児と一緒に園庭で泥だんごを作ります。
昔からある遊びではありますが、作る中では科学的であったり、芸術的であったり、また道徳的であったり、作る時間に比例するように気づきが増え、その深さも増していきます。ぎゅっと握り固めた泥の玉に、乾いた細かい砂をかけてはなぞり包み込むように握りしめ、これを延々と繰り返します。そういう過程を経て次第に強固になり、そして輝きを放つようになる土のかたまり。「なでる」という行為は言うまでも無く愛情の表現です。通常は思いや感情が先にあっての行為ですが、この泥だんご作りでは「なでる」という行為を繰り返した先に愛着や愛情が芽生えるという逆のルートを体験します。幼児と夢中で取り組みながら、そんな考えを頭の中で巡らせます。結果を急いだら失敗します。「慌てて光らそうとしてもダメだよ。のんびりじっくりやるのだよ。」と子どもに語りかけます。
今日を積み重ねていくことで本来の「その子らしさ(個性)」は形成されていきます。「こんな子になってほしい」というような結果を目標にするのではなく、温かく安定した生活環境、充実した遊びの毎日が次第にポジティブな個性を形成していくように、子どもたちの日々を支え、見守っていきたいと思います。
